はじめに 一億超え通販への道

●売上1億円を突破できない経営者の共通点

本書は、通販ビジネスを年商1億円以上にしたい
経営者もしくは担当者の方向けに、
億超えを達成する方法論を解説した「バイブル」です。

私は20年以上、通販ビジネスに携わっており、
多くの企業で通販売上を1億円以上に押し上げる
コンサルティングをし、成功させてきました。

その指導の過程で、売上に困っている通販会社のオーナーには
“ある共通点”が存在することに気付きました。

その共通点とは、
“流行りのダイレクトレスポンスマーケティング”
だけに依存しているということです。

例えば「動画集客」や「スマートフォン集客」のように、
最初からコストがかかってしまう流行の集客手法に手を出すのですが、
動画の編集や新規サイトの運営、広告などに
多額の費用を投下してしまうのです。

私は決して「ダイレクトレスポンスマーケティングが間違っている」
と言っているわけではありません。

しかし、それは売上を最速で上げるためには適切ではありません。

通販ビジネスは、流行の手法だけに目を向けていたのでは成功しません。
一番大切なことは、マーケティングのもっと大枠の全体設計図を熟考し、
正しいステップと正しい順番の打ち手を踏むことです。

これができると、ダイレクトレスポンスマーケティングという戦略も
絶大な効果を生み出す“武器”へと変貌を遂げるのです。

つまり、もしもいま、あなたが売上に困っているのであれば、
まず知らなければならないのは、通販ビジネスの全体設計図なのです。

全体設計図は、図表H-1で示したように、
「マーケティングα」(左側)と「マーケティングβ」(右側)に分かれます。


図表H-1

 この「マーケティングα」「マーケティングβ」という表現は、
私は考案したものですが、本書の中で何度も出てきますので、
ここで十分に頭に入れて下さい。

先ほど申し上げた「ダイレクトレスポンスマーケティング」は
マーケティングαに該当します。

本書は、流行に左右されない、
全体設計図のマーケティングβを中心に展開します。

●年商1億円を突破できる会社とできない会社

売上1億円もしくは10億円でも、それを実現できるかどうかは、
この全体設計図を知っているかどうかに尽きます。

私が一部上場の通販会社で働いていたときに経験したのですが、

年商10億円を突破している通販会社と
年商100億円を突破している通販会社では、

その全体設計図におけるマーケティングβ の構造は、
同じであることが多かったのです。

しかし、年商1億円を突破していない通販会社と
年商10億円を突破している通販会社の構造は全く異なります。

通販業界に携わっている経営者や担当者のスキルやノウハウには
そんなに違いがないのに、年商レベルで100倍以上の差が
発生していることに疑問を持っていました。

その後わかったのは、年商1億を突破していない通販会社は、
ちまたで語られている通販の成功ノウハウ

言い換えるとマーケティングαのみにフォーカスしているため、
マーケティングβの土台がない企業が多いということでした。

●本書で紹介するメソッドの成り立ち

実は上記で指摘した違いは、私が一部上場企業の通販会社に
勤務していたときには、全く意識することもなく、
本当の意味での重要性に気付くこともありませんでした。

なぜなら、諸先輩たちが仕組み化や組織化をしてきた
恩恵の中で働いていたからです。
そのありがたさに気が付かなかったのです。

10億を稼ぐ通販ビジネスはココが違う!と気付いたのは、
ベンチャーの通販会社に入ってからのことでした。

当たり前ですが、仕組み化や組織化もされていませんので、
一言で言うと、無駄が多いということです。

1つのことを共有化できていないため、
業務遂行にも差が生まれるわけです。

私は、そのベンチャーで通販ビジネスに必要なマネジメントとは何か?
を考え、経営戦略やマーケティングに携わっていました。

その中で、年商レベルで100倍以上の差異がある理由について
体系化したのが、本書でお話しする
6ステップ法の中の「ベルトコンベア理論」です。

●「ベルトコンベア理論」とは

ベルトコンベア理論とは、
「1つの流れに沿って通販ビジネスの仕組みを構築していけば、
自然に売上を上げることができる」

という通販のロールモデルであり、具体的には、6ステップ法の
「LTV(顧客生涯価値)」「商品企画」の2つのカテゴリーの構築法を

「ベルトコンベア理論」と呼んでいます。

6ステップ法とは、図表H-2にあるように、

「LTV」「商品企画」「決済・システム」「在庫・物流」
「セールス・コールセンター」「集客・サービス」

の6つのパートに分解されます。

6ステップ法を構築する際には、
下位概念の「集客・サービス」から設計してはいけません。

戦略的に構築するためには、上位概念の
「LTV」から設計する必要があります。


図表H-2

 これから通販ビジネスをリアルに次ぐ売上の第二の柱として
立ち上げる場合でも、6ステップ法は有効です。

この手順を無視すると、通販ビジネスで失敗する確率が高く、リスクが伴います。
これらについては、本書の第1章で詳しく解説します。

●他社をモデリングしてもうまくいかない理由

他社の成功事例をモデリングしてもうまくいかない……
あなたは、こんな経験をしたことはありませんか?

ベルトコンベア理論の原理原則を正しく理解しないと、
他社をモデリングしても同じような結果が生まれないのです。

あなたもお客様という立場で、通販を利用することが多いと思います。
だから、通販の仕組みを知っていると思っていますし、
模倣することは簡単だと考えます。

しかしながら、他社が成功しているプロモーションを
同じようにモデリングしても、
自分たちの通販ビジネスではうまくいかないのです。

これは、モデリングの順番が違うのと
戦術のみをモデリングをしているためです。

通販ビジネスの醍醐味でもある、模倣の順番や方法を間違うと
全く違う結果になります(ここがまた面白い部分なのですが)。

これが通販で売上アップを構築できず、
仕組みで売上が構築できない最大の理由となります。

まずは、「ベルトコンベア理論」の概念を正しく理解して、
あなたのリソースの弱点を底上げする必要があることを理解してください。

●本書の構成について

さて、ここで本書の構成を簡単にご説明しましょう。

第1章は、全体設計図のマーケティングβに該当する
6ステップ法を、一つ一つのステップごとに詳細に解説します。

第2章は、事業戦略の策定に関して具体的に説明します。

続いて、第3章では、マーケティングβの売上を
3つの掛け算に分解することで、
ファン層の拡大につなぐ方法を説明します。

3つの掛け算のカギは顧客の深層心理にフォーカスすることです。

第4章は、第3章で説明した売上を3つの掛け算に分解する
最初のポイントである1回目から2回目の
リピート率の向上について説明します。

そのためには、コンセプトが一貫した全体設計図から
打ち手を考えることが重要です。

第5章は、大手通販会社が行っているサービス面での
価値の付け方などを学びます。 その考え方は「R7法」の1枚マッピングに分解できます。

最後の第6章では、通販ビジネスは、売上や利益の追求だけでなく、
「資産」を形成できることを説明します。
顧客の育成プログラムの仕組みと顧客リストこそが、最大の売りになります。

それでは、順を追って説明していきます。最後まで、お付き合い下さい。

2015年12月

売れる通販プロデューサー 西村 公児








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